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実に3年ぶりの活気だった。
広い空間での静寂はより以上に空虚さを際立たせる。コロナ禍でも新日本は“ドーム興行”を継続して開催してきたが、やはり観客の“声”がないと、どれだけリング上の闘いが激しくとも、大きく画竜点睛を欠いたような印象が残った。
しかし、いまとなっては、空虚さも我慢の過程。次なる半世紀へのスタートの彩りとして、歓声は広い空間に活力をもたらした。裏を返せば、観客の“声”の重要性をあらためて実感するイッテンヨンとなった。
飛び交う歓声がひと際、大きくなったのがセミファイナルで組まれたIWGP USヘビー級選手権試合。ウィル・オスプレイとケニー・オメガの一騎打ちはドーム大会らしいスケール感のある話題性抜群のカード。詳細は同一戦の試合リポートに譲るが、想像を超えていく攻防の連なりにどよめきは連鎖した。
語弊を恐れずにいえば、セミの一戦で場内の空気は一旦、“荒らされた状態”になった。飛び道具的な刺激に満ちたカードの一方で、メインイベントのジェイ・ホワイトとオカダ・カズチカのタイトルマッチは、新鮮味という点では及ばない。
しかし、結果論ではあるが、メインはジェイとオカダの一戦で“正解”だった。新鮮味はなくとも、50周年の区切り、そして51周年の始まりの場を締めくくる闘いとして、2人の落ち着きと安定感は場内の空気を見事にリセットさせた。(市川)
表紙◎オカダ・カズチカ「闘魂継続」定価650円
新日本1・4東京ドーム〜IWGP世界ヘビー級◎オカダ・カズチカvsジェイ・ホワイト「刃の純情」
新日本1・4東京ドーム〜IWGP USヘビー級◎ケニー・オメガvsウィル・オスプレイ「残酷なる極限」
新日本1・4東京ドーム〜IWGPジュニア◎高橋ヒロムvs石森太二vsエル・デスペラード&マスター・ワト「導夢で返り咲き」
新日本1・4東京ドーム〜武藤敬司&棚橋弘至&海野翔太vs内藤哲也&SANADA&BUSHI「恩返しの糸」
新日本1・4東京ドーム〜NEVER無差別級◎タマ・トンガvsカール・アンダーソン「タマ歓喜」
新日本1・4東京ドーム〜IWGPタッグ◎後藤洋央紀&YOSHI-HASHIvsダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー「『せーの!』の力」
新日本1・4東京ドーム〜NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント決勝◎ザック・セイバーJrvs成田蓮「目標達成への第一歩、されど特別な第一歩」
新日本1・4東京ドーム〜IWGP女子◎KAIRIvs中野たむ「広がるIWGP女子」
新日本1・5大田区〜オカダ・カズチカ&ケニー・オメガvsジェフ・コブ&アーロン・ヘナーレ「夢と現」
新日本1・5大田区〜KOPW2023決定戦◎鷹木信悟vs矢野通vsSHOvsグレート‐O‐カーン「“鷹木式”頂上への戻り方」