ジュリアvs中野たむは「スターダムの黄金カード」と呼ばれている。だからこそ、スターダム初進出、女子プロレス20年ぶりとなる横浜アリーナ大会のメインでこの試合が組まれたわけだ。

しかし、「黄金カード」でたむはずっと悔しい思いをしてきた。重要な局面で負け続け、日本武道館の髪切りマッチでやっと勝って白いベルトを巻いたのに、注目されたのは坊主になったジュリアの方。赤いベルトや白いベルト、ゴッデス、5★STARやシンデレラも先を越された。自分はずっとジュリアを追いかけ続けるのか、追い越せないのか…。

悔しくて悔しくてジュリアが頭から離れなかった。何をするにもジュリアと自分を比較してしまった。まるで病気だと、たむは本誌インタビューで語るほど。

赤いベルトを懸けた通算6度目のシングル。2人の攻防はやはり激しく、特に顔面への攻撃が苛烈となった。両者（特にたむ）は試合中から顔が腫れ上がる。

まさに命を削り合う攻防を繰り広げ、互いの得意技を出し合う両者。そのなかでたむはトワイライトドリーム、バイオレット・スクリュー・ドライバーと自身の必殺技を畳み掛け、ついに3カウント奪取。ジュリア政権をV2で強制終了させた。（成川）