現在のプロレス界は佐々木健介や高山善廣などを見ての通り、フリーの立場で団体の枠にとらわれることなく活躍する選手が目立ってきた。もちろん、みんながみんなそうとはならないが、腕一本で食っていける実力を備えていれば、黙っていても声がかかる。健介のように、窮地へと陥りながらも身軽になった分、開き直れば開き直るほどに新境地を開拓したケースもある。人間、何がきっかけで逆転現象が起こるかわかったものではない。そんな逆転現象が今、起こりつつあるのが健介のかつての師である長州だ。ＷＪが存続するかぎりフリーではないが、昨年までと比べると本人的には不本意であろうとも自由の利く状況となった。最後まで自分についてきた弟子たちとともに、ＺＥＲＯ−ＯＮＥやアパッチ軍と闘う姿は、ＷＪ思うようにいかなかった頃と比べたら何倍もイキイキして見える。誰を相手にしても、どんなリングに上がっても自分自身は変わらないという信念さえ根っこに持っていれば、長州が露出する場はいくらでも広がっていくはず。それほど、現在の長州は“感じさせる”レスラーに映るのだ。（健）

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